2021/03/05 15:13
こんにちは。渡邉帆南美(Twitter @Kamereon_illust)です。
ここをご覧になったということは、アートに興味があり、
もしかしたらいい作品をお求めのことでしょう。
・アートを買いたいけど、どんな絵を買えばいいかわからない
・高額だし、買う絵を失敗したくない
・オフィスや店舗の空間をよりいいものにする絵を選びたい
など色んな悩みを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
私自身は直感で好きな作品、感性を揺さぶる作品が一番良いと考えています。しかし、ご購入理由は人それぞれです。
このページでは、作品の内容への共感だけではない判断基準が欲しい方のための
いい絵を選ぶポイントを3つに分けてご紹介していますので、ご参考にしていただければと思います。
1.必ずしもギャラリーに所属していたり、美術業界で有名な作家の作品の方が価値があるとは限らない?
美術と聞いてなんだか神秘的で情熱をもった精神世界をイメージしがちです。
しかし実際は、美術業界も普通の商品と同じように売れ線というものが存在し、プロの作家であれば、世界の動向や歴史的価値を理解しながら制作をしています。
そうするとどうしても売れる絵に繋げるために似たような印象の絵が多くなる可能性があるのが現状です。これは作家にも生活がありますから当然仕方のない事なのです。
絵画を買うならその道のプロの選択に任せる、既に世界的に有名な作品が一番いい。
よくこの言葉を聞きます。本当にその通りです。そうすれば素晴らしい作品に確実に出会うでしょう。
ただこれを否定するわけではないのですが、お客様の立場に立ってみた場合を想像すると
お客様にとって価値がある絵は本当にそこにばかりあるのだろうかという疑問もあるのです。
例えば、ここに一人の会社員の方がいたとします。
この人は何百何十のオフィスで商談をしてきました。
そういう方であれば色んなオフィスに貼られた絵も見てきているはずです。
最初は素晴らしい取引先のオフィスに貼られた有名な絵にも、見とれたり関心を持っていたかもしれません。
しかし何十何百と商談を続ける中で、ほとんどの会社が、有名な作家の似たような絵を飾っていたらどうでしょう。
そうすると段々とどこのオフィスも同じような空間ばかりになりがちで、インパクトが残らない可能性があるのではないでしょうか。
つまり、
高額なお金を払って選んだ絵画によって、オフィスや自宅などあなたにとって大事な場所が
没個性でどこにでもありがちな印象のオフィスや空間になる
という落とし穴がある可能性も知っていただきたいと思います。
とは言っても、美術作品の良し悪しは簡単にはわかりません。
いくらインパクトがあった個性的な作品とはいえ、無名の、技術があるかもわからない作家から作品を買って失敗したくない
そう思うことでしょう、そんな時こそ下記の見分け方があります。
2.作家の作品技術が心配な場合は、作家の受賞歴を調べると良い
ただし、これにはご注意いただきたいポイントがあります。
というのもほとんど素人のような技術の人でも簡単に応募したらある程度賞を取れる団体が存在するからです。
そうしてそういった団体の見分けは難しいのです。
そこで必要になってくるのが、評価しているのが美術団体か、どんな人(審査員)か、どんな年齢か、リサーチする。
例えば、私は、ある美術団体の審査で大阪府知事賞を受賞しました。
これは、私よりはるかに技術も経験も優れた何十年も続けている作家からの審査です。
後日授賞式のパーティでお酒や食事を楽しみながら、審査を担当した年配作家の方に
「あなたの作品は、アートや画材の基礎知識がしっかりないと出来ないものだと思った。誰とも表現手法がかぶっていないし、こんなのは今まで見たことがない。
あなたは今回ここに初出品だったが、審査時にみんなの評価が一致した。」と評価されました。
このように審査員自体が若すぎず年齢とキャリアを重ねていると、見てる数も違うので様々な配慮から判断されます。その点がいいポイントでしょう。
また、例えば
京都国際映画祭2020
で私が発表した下記の作品の審査は、
審査員の名前が公に公開されています。
玉置泰紀さん(株式会社KADOKAWA 2021年室エグゼクティブプロデューサー担当部長/京都市埋蔵文化財研究所理事)
山本太郎さん(ニッポン画家・京都芸術大学准教授)おかけんたさん(芸人/京都国際映画祭アートプランナー)
でした。
それぞれ知名度のある方ばかりなのですが、なぜ知名度がある審査員の方がいいかというとそれなりに
下手なものを評価すると自身の評価を世間に著しく下げることになるリスクの高いかたばかりだからです。
惜しくもこの作品は入選止まりでしたが、当日はみんながよく知っているような著名芸人さんがお笑いライブをする中、同じ会場のよしもと祇園花月の会場で展示することができました。
このように確実に賞を受賞していなくても入選でも構いません。
なぜなら入選した作品は既に何百の応募の中から光るものがあると支持されて展示にまで結びついているので、
惜しくも賞は取り逃がしていても、いわば将来性の余白(伸び代)を評価されている安心感があるわけです。
また伸び代は今後成長した時に、購入時とは比べ物にならない価格価値をうむ可能性もあります。
あとは、
絵画教室や、芸大など教育機関で美術講師の経験があるか
というのも、ポイントです。
なぜかというと、人に何かを教えるというのは、ある程度技術を買われていないとできないものです。
できればアートに特化した作家を扱う教室かどうかを判断するといいでしょう。
私も実はこども芸術教室KidzLab.というところで美術講師をしています。
出会いはある趣味の集まりで軽く知り合った方が教室を経営していたからでしたが、
そのかたが実は長年アーティストのマネジメントをしている方だったのがきっかけでした。
しばらく会ってもおらずSNSの繋がりだけしかなかったのですが、ある日、
「インターネットで作品を見ていると制作スタイルの幅が広いのでうちに合うと思った。よければ任せたい」
というお話を先方からいただくことができました。
この教室のこだわりは現役でそれぞれが活躍するアーティストが週替わりの授業を行うというものです。
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さて、最後ですが、とはいっても
3.一番は自分の感覚を信じて、作品を持った時の楽しさとワクワクが何より大事
です。
自宅やオフィスに飾ると、あなたの家やオフィスを訪ねてくる人もいるでしょう。
強いアート作品は、受賞歴のある作家の作品のように
他の何百という作品より前に出てくるようなエネルギーの塊です。
そのようなものを目にした時、訪れた人にこう聞かれる可能性があります。
「この絵をどうして買ったんですか?」
その時、あなたはどう答えるでしょうか。
「有名ギャラリーのオーナーが価値が高いと言ったから」「ただ何と無く」
それでも勿論良い理由ではあります。
しかし、昨今の世の流れというものはジェンダー問題が多様化していたり、
マスメディアの情報を受け入れるだけだったことから、SNSで自己発信する人も増えたように、
古い価値観というものは打破されています。
色んな感性や人の生き方が認められるように動いていくので、今までよりも個人の感性が大切にされ、ますます人々のあり方は多極化していくのでしょう。
そのような時代を迎えるにあたって、アートを所有する楽しみというものは、
「この作家の思想に共感をして買ったんだ」
「自分が初めてこの作家の作品を見た時、直感でビビッときた」
というようなことを
はっきりと他の人に紹介したり、一緒に感動を分かち合える喜びというものがあります。
いかがでしょうか。
下記、私のサイトでもきっとあなたのお気に入りの作品が見つかります。
なぜなら、一つ一つにしっかりとコンセプトを考え内容のある作品に仕上げるという意思を持って作った作品ばかりだからです。
私の作品は、気軽に飾っていただけるものや身につけるアートなど比較的お手頃なものもありますが、
個人で購入する絵としては必ずしも安いものばかりではないかもしれません。
しかし、お値段以上の価値を提供できるように日々思考錯誤しながら、一つ一つ魂を込めて制作しています。
ではでは、ぜひあなたも楽しいアートライフを始めてみてください。
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